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1980年代の外国人選手

カオスでした。もうとにかくとっかえひっかえ。ちょっとケガをした、使えないとなればすぐにクビ。そして新たに獲得する。使い捨ての時代だったのです。タイガースのために来日した外国人選手たちにとっては受難の時代でした。そんな中、神様がやってきました。その神様は、長年バカにされ続けてきた虎党に救いの手をさしのべたのです。彼の名は…。

デイヴ・ヒルトン(Dave Hilton)

ヤクルトファンには思い出深い、初優勝の使者である。広岡政権下で獲得された二塁手だが、パドレス時代はサードだった。ショートには広岡秘蔵っ子の水谷がいたが、セカンドの渡辺進は、打撃は魅力だったが守備が粗い。守れて打てるセカンドを、という要望に応えてやってきたのがヒルトンだ。当時28歳、脂がのりきっている選手である。

とにかく練習熱心で、オープン戦からバリバリ打って、開幕後は不動のトップバッターとして活躍した。
独特のクラウチング・スタイルから飛ばすライナーにスワローズファンは酔った。1番としてはあまり脚のある方ではなかったが、その分、一発長打の魅力もあり、走者を置いても勝負強かった。
1年目から日本野球に順応し素晴らしい成績を挙げたが、2年目は低迷した。ヒルトン自身が昨年の成績で特権意識を持ち出したとか、それが原因で広岡監督と衝突したなどの話しも伝わるが、詳しいところは定かでない。スワローズ自体が思わぬ不振に陥ったため、その詰め腹を切らされるという面もあり、わずか2年で退団することになる。

そこに目をつけたのが、廃品利用したいタイガース。実績十分なヒルトン、それこそ垂涎だったろう。
もっとも、ヒルトンの獲得には、当時のブレイザー監督の意向もかなり働いたことは言うまでもない。
この年の阪神は、ドラフトの目玉・早稲田大の岡田彰布三塁手を補強した。が、サードには昨年、本塁打王を獲った看板打者の掛布雅之がいる。入団時の約束で、岡田にはポジションを与えねばならない。
そこで岡田は、本人了承のもとセカンドへコンバートすることにした。
こうなると、あぶれるのがヒルトンなわけだ。

ブレイザー監督は面白くない。これでは何のためにヒルトンを獲ったのかわからないし、所詮、岡田はルーキーだ。チームが勝つためには、実績もあるヒルトンを使う方がいいに決まっている。故にブレイザーは、球団の意向に関わらず、ヒルトンをメインに使うつもりでいた。
今度は球団が困る。岡田の約束を反故にすることになるし、そうじゃなくても六大学のスター・岡田をスタメンで使うことによって観客数の大幅増大も見込めるのだ。多少、打てなくたって岡田を使うべきだ。
当然、ブレイザーとフロントが衝突する。 シーズンが始まると、ブレイザーはヒルトンを使う。フロントは岡田を使うよう迫る。もちろん、この紛争はヒルトン自身も知ることになる。これでヒルトンが開幕からいきなり打ちまくれば、フロントの雑音も小さくなるのだろうが、そううまくはいかず、つまづいてしまう。フロントは、ここぞとばかりに「それみたことか、岡田を使え」と、ボリュームを上げる。ブレイザーは無視する。
業を煮やしたフロントとブレイザーが本格的にぶつかり、頭に来たブレイザーは辞任し帰国の道をとる。
自分を庇護してくれたブレイザーがいなくなり、ヒルトンも阪神での野球に絶望する。そしてブレイザーと前後して、5月に退団、帰国してしまうことになる。
これで岡田が打てなければフロントは笑い物だったところだが、発憤したのか岡田が頑張り、.290,18ホーマーを放って、見事に新人王を獲得した。

さて、帰国したヒルトンは、しばらく3Aでプレーしたあと引退し、1Aの監督を勤めた後、ツインズのスカウトをやっていた。

ブラス・ボウクレア(Bruce Boisclair)

ヒルトンが帰国してホッとしたフロントだが、現場はそうも言ってられない。守備位置はともかく、彼の打棒は必要不可欠だったからだ。そこでヒルトンの穴を埋めるべく、新外国人選手を獲得した。
今度はバッティングしないように外野手を、という条件つきだ。
そんな中、急遽入団したのがメッツにいたボウクレアである。

左打ちではあったが、打力ではとてもヒルトンに及ぶものではなかった。それでも、人材不足気味だった外野を守っていただけに、起用される機会は多かった。打率も長打力もパッとしなかったが、貴重な左の外野手だし、日本に慣れれば成績も上がると踏んだ球団は、翌年も契約を望んだ。
しかし、ボウクレア自身はまだ28歳だったこともあり、メジャーに未練があるとして再契約には応じなかった。

ポール・デード(Paul Dade)

再契約するつもりだったボウクレアに振られてしまい、新たな外国人外野手を探すことになった。
見つけたのは30歳の黒人選手・デードだ。彼は70年のドラフトでエンゼルスに1位指名されたほどの選手で、その後、インディアンスとパドレスに移籍している。右ヒジの古傷が気がかりだが、完治しているという本人の弁を信用するしかなかった。

長打力というよりもシュアな打撃と走塁がウリだというので、1番もしくは2番に据えることを予定していたのに、これが打てない。守備はそこそこだが、期待の打撃がこれではしかたがない。困ったなあと首脳陣が頭を抱えていると、今度は再度右ヒジの痛みを訴え、欠場する有り様。
検査したところ、完治までにかなりの時間がかかるということが判明、7月中旬に解雇された。

ダグ・オルト(Daug Ault)

デードとともに入団したのがオルト。レンジャース、ブルージェイズに在籍した外野手だ。デードが俊足好打なら、こちらオルトは一発長打を期待された。

成績を残していたにも関わらず、なぜかフル起用されることは少なかった。にも関わらず、3割をクリアし、ホームラン18本は立派である。確かに規定打席には届いていないが、それは起用法の問題であろう。少なくとも、ケガがちのデードよりはずっと使いでがあったし、来季以降の活躍も十分に期待出来たはずである。タイガースが期待していたのは、掛布に続く長距離砲だったのはわかるが、もっと出場機会を与えていれば20本くらいはラクにいったろうし、実際、長打率も5割を超えている。つまり、一発長打の役割は果たしていたと言ってもいいのだ。おまけに3割打っている。なにが不満なの?

なるほど、最初は思うように打てなかった時期もある。ファンも失望したが、その後の活躍ぶりに、「おると(オルト)おらんでは大違い」ともてはやされた。
なぜこの選手が1年でクビにならねばならないのか。心ある阪神ファンを嘆かせたものである。
「これ以上、どうすればいいの?」とは、オルトが帰国するときの最後の言葉だったという。

ダン・ゴンザレス(Dan Gonzales)

オルトは打っていたが、途中退団したデードの代わりが欲しい、ということで連れてきたのが元タイガース(デトロイト・タイガース)のゴンザレスだ。左打ちのパンチ力はなかなかありそうだということで、首脳陣の期待も高まった。ゴンザレスがひょうきんで親しみやすい性格だったこともあり、すぐにナインとも馴染んだ。「団 権三」と漢字のニックネームももらって悦に入っていた(関係ないけど、外国人選手って、漢字で自分の名前書いてもらうと喜ぶ人、多いよね)。
これなら大活躍、と思ったのだが…。

ケガである。いきなり左足首を捻挫したかと思えば、今度は左足の靱帯損傷と連発。1軍に登録するどころではなく、ファームで調整するしかない。しかし捻挫に靱帯を痛めたわけだから、これはけっこう長引いてしまう。ようやく試合に出られるようになったのが9月の下旬。このデビュー戦で、いきなりホームランしたものの、いくら何でも遅すぎる。クセになりそうな左足の故障も怖いので、タイガースはこの年限りで彼を整理した。

キム・アレン(Kim Allen)

オルトほどの選手を「長打力が足りない」という理由で切っていたのに、この年に獲得したアレンは、まったく異質な選手だった。80年にマリナーズに昇格したが、それまでは3A暮らし。ただ、その3A時代に盗塁王を獲得している俊足選手だった。それはそれで良いのだが、「長打力が欲しい」という希望はどこへ行ったのか。

とはいえ、3A時代にタイトルを獲った脚は伊達でなく、初年度から22盗塁を記録する。これでフルシーズン働いていれば日本でもタイトルが獲れたかも知れないが、レギュラーとして定着するまでには至らなかった。理由は打力不足である。率を見れば、さほど悪くもなかったが、打席でも迫力に欠け、今ひとつ頼りにならなかった。それに、この程度の打力であれば、まだ若手を育てた方が将来のためと踏んだ面もあるだろう。一応、2年目も契約して様子を見たが状況は変わらず、そのまま解雇と相成った。

グレッグ・ジョンストン(Greg Johnston)

本当にわからない。アレンという俊足好打の選手を獲ったのなら、もうひとりは長打を売り物にする選手を入団させるものと思っていたら、二人目もまったく同じタイプだった。ジョンストンは、スラッとした白人で脚が長く、やはり脚力自慢の選手だった。まったく、あれほどホームランにこだわったのは何だったのか。

で、ジョンストンの方はオープン戦からさっぱり打てず、開幕一軍入りすら果たせなかった。徐々に調子を上げて、4月中にベンチへ戻ってきたものの、気分屋だったのか好不調の波が激しく、猛打賞を続けたかと思うと、パタッと打てなくなるなど日常茶飯事で、首脳陣にとっては使いにくいこと甚だしかった。
それでもアレンよりは打力もあり、左打者の利点もあったので、出場機会は多かった。
もっとも、それでも成績はこの程度。脚の方も自慢するほどではなく、その粗っぽいバッティングは相手投手の好餌とされた。結果的には、これならアレンの方がマシ、ということでジョンストンの方は1年でお払い箱となる。
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