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2005年 怒りの一撃!中村豊 阪神優勝を呼んだ最後の本塁打


どうしても打ちたい、いや打たなければならない打席だった。その思いがバットに乗り移ったかのように、打球は左翼ポール際まで飛んだ。そして切れずにスタンドに着弾した。二塁を回って、初めて本塁打だと確信し、右腕を高々と上げて思わず雄たけびを発した。

中日―阪神19回戦(ナゴヤドーム)の延長11回、阪神・中村豊右翼手の1号ソロ本塁打が飛び出した。既に試合時間が5時間になろうかという一戦、中日6番手の平井正史投手から放った一撃は、日本ハム時代の02年9月17日、対西武戦で記録して以来、3年ぶりの1本。03年に阪神へ移籍してから初のメモリアルアーチとなった。

「セ・リーグで初めての本塁打が、まさかこんなところで打てるとは。先頭打者だったので、チームに勢いをつけるためにも、バットを強く振り抜くことだけを考えていた。夢みたい」。試合後のヒーローインタビューで言葉も弾んだ中村。首位阪神は2位中日との直接対決を勝ち、これでゲーム差は3。2年ぶりのV奪回が視野に入ってきたタイガースだった。

喜びもあったが、怒りの一撃でもあった。9回、代走出場した中村は、関本健太郎内野手の右前打で二塁から本塁を狙ったが、判定はタッチアウト。「確かに左手が先に入った。自信がある。セーフだ」とする中村だったが、橘高球審は抗議を受け付けなかった。

中村自身が納得いかない中で、さらにチーム全体が納得しないプレーがあった。9回裏、2点ビハインドの中日は無死二、三塁と久保田智投手を攻め、打者谷繁元信捕手の当たりは二ゴロ。関本からのバックホームで三走のアレックス・オチョア中堅手はアウトに見えたが、今度はセーフの判定。
阪神にとって度重なる不可解な判定に、岡田彰布監督は激怒。選手全員をベンチに引き上げさせ、放棄試合も辞さない覚悟だった。審判団と岡田監督の一触即発の雰囲気に、間に入った平田勝男コーチが選手時代にもなかった暴力行為での退場を命じられるとさらにヒートアップ。岡田監督はベンチの壁にもたれ、足を組んで審判団を目の前で批判し続けた。

球団社長の説得でようやく試合再開をした阪神だったが、18分間の中断の影響からか、名手の赤星憲広中堅手がいつもならありえない失策で同点にされる始末。そんな最悪の空気を吹き飛ばした中村の本塁打。阪神はこの勝利で2年ぶりのリーグ制覇を呼び込んだといっても過言ではない、値千金弾だった。

実は中村、これがプロ生活通算8本塁打の中の最後の1本だった。この1本のおかけで、年間わずか13安打にもかかわらず、年棒が500万円アップ。現役選手の寿命もさらに2年伸びた。

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