2002年8月23日、東京ドームで行われた対巨人19回戦は、阪神・藤田太陽、巨人・工藤公康の先発で試合が始まった。
2回表、ジョージ・アリアスの左翼席上部の看板を直撃する21号本塁打で先制、更に点を加え2-0とリードするもその裏、先頭打者を四球で出すとあっという間に逆転を許す。
しかし6回表、今岡誠がライトスタンドへ同点ホームラン。試合は振り出しに戻る。
同点で迎えた6回裏、1死2塁。
バッター・仁志敏久のあたりは平凡なサードゴロ。三塁手・片岡篤史が捕球し、一塁へ転送。タイミング的にも全く問題なくアウトだ。
が、二塁走者・斉藤宜之が三塁へ走る。それを見たアリアスがすぐに三塁へ送球する。すると一塁塁審の上本孝一審判は、アリアス選手の足がベースから離れたと判断してセーフをコール。この判定にまずはアリアスが猛抗議。その姿を見た星野仙一監督もベンチを飛び出した。
上本塁審に食い下がる星野監督。そしてついに暴言を吐いたとしてタテジマ初の退場処分。
「(暴言は)最後の一言。このボケ!と言われた」と上本塁審。
星野監督の退場コールを聞いて、今度は田淵幸一チーフ打撃コーチが黙っていない。
上本塁審に詰め寄る田淵コーチ。そしてついにはつかみかかりちょっとばかり小突いてしまう。そして田淵コーチまでもが、まさかの退場コール。
「2度突かれたが、1度目に暴行で退場とした。」と上本塁審。田淵コーチは生涯初の退場処分だ。
ちなみに同一試合で監督とコーチがアベック退場するのは、セ・リーグでは初めての出来事だそうだ。
その後、島野ヘッドが代行で指揮をとるが、退場劇にリズムが狂ったか二番手・谷中真二が押し出しの四球などで勝ち越しを許してしまう。しかし赤星憲広のスーパーキャッチでピンチを脱すると、9回には巨人の抑え・河原純一を満塁まで追い詰める。
結局、試合は3-5で敗戦。阪神ナインの意地を見せることは出来なかった。